ヘリウムHDD

今年の初めに発売されたHGST製のヘリウムが入ったHDDですが、なぜヘリウムを入れると大容量が可能になるかの話しを一つ。

HDDはヘッドとプラッタ(円板)を浮かして擦れないようにしているのですが、それをどうやって浮かしているか空気抵抗(空気の粒にぶつかって浮く)であったりします。これをヘリウムにすると原子が小さいので、粒が小さく揃っており空気より安定する(つまりヘッドとプラッタの浮く高さが安定)わけなのです。

しかも円板が回転する為、空気抵抗が大きいとブレ(バタ)つきますが、空気抵抗が小さいヘリウムだとバタつきにくくなるわけなのです。

そーなるとバタつかない→円板の厚みを薄くできる→円板を多く実装できる。ってことで大容量が可能になるわけです。

発熱自体も空気よりヘリウムのほうが熱伝導がいい&空気抵抗が小さいので摩擦熱も小さくなるので温度は下がる、消費電力は下がるでいいことづくめなのです。

では、何が欠点かというとヘリウムは原子が小さいので、ヘリウムが漏れない技術がなかなか大変らしいのです。カバーとシャーシ(エンクロージャ)は従来のシリコンラバー&ネジ固定から溶接に変更になってますw

ほかにもPCBA(基板)とヘッドなどの間のコネクタでヘリウム漏れないようにしているのですが、この辺は特許取得しているようです。今の技術ではこれ以上の記録密度を上げることができないので重ね書きや、熱アシストをつかうしかないようです。

と思っていたらSEAGATE社から6TBが出ましたね。円板の枚数が少ないので瓦書きかデータ以外の情報(例えば位置決め情報(サーボ情報)など)を削っているのでしょうか?私、気になります。

 次回は、OSを再インストールしてもフォーマットしても情報が消えないネタです。

 

故障しにくかったHDD

PC関連(主にハード)の仕事をやってますが、そこで公開してもいいネタを書いていこうかと言うところで、今回は、ここ1年つかっていて故障しにくかったHDDのご紹介を・・。 

WD(ウェスタンデジタル)のREDシリーズ、MTBF的に恐ろしく故障しづらかった製品であり、過剰品質気味でしたw。(回転数が低いのが品質に効いているのかも)

ただ品質とコストのバランスがあるので、今の製品は、品質低下になっているかもしれません・・・。)

ちなみに生産国が複数ある場合、「xx生産国でハズレをひいた~。」とか聞きますが、一括管理されているので品質はどこも一緒です。むしろ丁寧に取り扱ってくれる小売業者を気にしたほうがいいかもしれません。

つぎにこのHDDの特徴を・・・。

このHDD、RAIDに特化したRAIDエディションと呼ばれていますが、それの意味する一番の特徴はTLER(Error recovery control)で、HDDの応答は、自分の処理中(例えばエラー回避処理)であろうが7秒以内に返します。

最近のHDDは記録密度向上の反面、円板からデータを読みにくいので、リトライを何度も何度も何度も何度も繰り返した挙句、データの退避処理が分単位の場合もあります。

そうなるとホスト(マザーボード上)は応答を待ち続けて、固まったように見えるのですが(HDDのアクセスランプが点灯したままとか)、これをRAIDシステムでやっちゃうと、非常にまずいのです。

RAIDはHDDからの応答が返らないと「返事がない、ただの屍・・」と判断し、そのHDDをキックし切断します。HDDはがんばってエラー回避をしているのに、RAIDはにHDDが壊れていると判断してしまうのです。

ですから、何があっても直ぐに応答しRAIDからの次の判断を仰ぐ仕掛けになっております。

と言うことでRAIDにはRAIDエディションが最適となるわけです。

RAID構成ではない場合は、Greenシリーズでも良いかもしれません。(TLERがないバージョンなので) ただ、ひたすら待つので無応答でイライラする気の短い人向けではないかもしれませんねw

 

 デスクトップであれば、メインはSSD、大量のデータにはHDDと分けるほうが使いやすいかと思います。